役員さんが筆頭株主の娘の友人の饅頭屋の商品を売店に置くのを断り解任された


僕の勤務する、地方都市の中小企業は、ある時、地元の有限会社に買収され、乗っ取られ、それからは坂道を転がるように倒産にむかっています。

買収直後、年配の管理職および妊娠した女性社員が退職強要でいなくなり、従来に不安を覚えた30代男性社員がみんな転職していき、最近は結婚を控えた20代男性社員が「男の寿退職」をする有り様です。

それもこれも、買収した筆頭株主一族のやり方が、あまりにワンマンというかブラックだからですが、もはや漫画のような出来事も起こり始めました。

筆頭株主には娘さんがいて、地元の経営者婦人会みたいな集まりの偉いさんでもあるのですが、その関係で知り合いの商店の商品を、この会社で使う、または販売するようにゴリ押ししてきます。

代表的には二つあります。

①筆頭株主の娘の友人の文房具屋さんから、会社の事務消耗品を買え(基本全部)

これは困りますよね。この会社では、少しでも経費削減を、ということでモノタロウやアスクルでリーズナブルな事務消耗品を買っているのですが、地元の個人経営の文房具屋さん、定価売りだし。

②会社(観光施設)の売店に筆頭株主の娘の友人の饅頭屋さんの和菓子を置け

無理すぎます(笑)

いちおう、観光施設ですから地元の名産品とか銘菓を売っているわけですよ。名前も知られていない、田舎の個人商店の饅頭を置くのは、いくらなんでも厳しいでしょう。

で、この二つの要求は、当時営業部の雇われ役員さん(社員上がり)が断固として拒否しましたね。

「あなたは株主の娘ですが、この会社組織における経営権はない」

みたいに、毅然と断ったみたいです。

僕含め、社員たちは溜飲が下がったものですが、その半年後、この雇われ役員さんは臨時株主総会において解任となりました。

解任された雇われ役員さんは、まだお子さんが大学生で学費も必要だし、当時の社長さんが筆頭株主に頼み込んで、なんとか社員に再就職となりました。

ちなみに、社員になった役員さんは、先日55歳になり、給料が手取り15万円になってます。

かばった社長さんも、後日、任期途中で解任となりました。

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